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SHIZUOKA

I KNOW JAPAN “JAPANESE TEA”

静岡から世界に向けて日本文化を伝えることをコンセプトにスタートしたプロジェクト、『I KNOW JAPAN』シリーズの第一弾、“JAPANESE TEA”。静岡で70年以上の実績を持つ印刷会社、〈日興美術〉が出版する美しいビジュアルブックです。

第一号では静岡が誇る「緑茶」をテーマに「Making Tea – 製茶 –」「Tradition – 伝統 –」「Tea Houses – 茶室 –」「Cafes – カフェ –」「Teacups and teapots – 茶器 –」「Sweets – 菓子 –」の6つのカテゴリーで編集されています。

上製本の表紙には堂々と金の箔押しがスタンプされています

扉部分。オリジナルの茶花のデザインがポイントに使われ、全体の統一感を出しています

クオリティの高いデザインと造本、細部にまでこだわりを持った編集。

静岡で感度の高いモノづくりを頑張っている方々はまだまだ少ないように感じるので(しかも出版!)、嬉しい&興味深々な私は、少しお時間をいただき、出版局へお話をうかがってきました。

和気あいあいな出版局チームの皆さん。後ろには最近出版したばかりの「武道」の表紙も

チーフエディターの大石さんと、インターナショナルディレクターのダイヤーさんに『I KNOW JAPAN』について色々とお聞きすることができました。出版局は現在4人体制で出版事業を運営しているそうです。

もともと印刷会社としてグローバル企業とのお取引があり、印刷・制作・翻訳の3つの技術を活かし、さらに向上させていくためにベストだと考えたのが、海外に向けた写真集の出版だったといいます。

静岡が誇る手揉み茶の永世名人〈住田恵朗〉氏による、針のような美しい茶葉

第一弾はやはり静岡の特別な文化である緑茶を取り上げたいという思いが強く、出版局メンバー4名とデザイナー、フォトグラファーもみんな静岡県出身のチームで制作をしたそうです。

特にお抹茶の本は海外でも非常にたくさん出版されていますが、ワインにもナパワインがあるように、地域ブランドとしての静岡の煎茶にフォーカスし、数ある日本茶本との差別化を図っています。“JAPANESE TEA”に登場する方々やお店、場所ももちろん全て静岡が舞台になっています。

静岡では昔から見慣れた茶娘の衣装

茶室の設置や撮影許可、天候など一番大変だったという〈三保の松原〉での1枚。富士山が綺麗に見えることは意外と少ないのです

海外の日本茶ファンはすごく専門的にリサーチする方も多いのですが、“JAPANESE TEA”ではそういったニーズではなく、まだまだ日本茶に関心が薄い方たちに向け、楽しく気軽に日本茶の世界に触れてもらうキッカケになることを目指して編集しています。

また、印刷・加工の面で言うと、最近ではコストばかりが重視され、高付加価値の技術が失われつつあると実感しているそうです。

経済面ももちろん大切ですが、長い歴史の中で生まれた印刷周りの技術や資材も、文化としていい形で残していくために、書籍のコンセプトをより引き立てるような、特殊加工や印刷用紙の選定を意識しています。

なぜだか懐かしくほっこりとする1シーン

鷹匠の〈増田屋〉さんのお団子で一休み

当面はイギリスとフランス、ドイツの3カ国での流通を目標として各国のブックフェアに出展し、国柄に応じてディストリビューターとの契約や小売店との直取引を広めています。

今後は、香港や台湾などのアジア圏へも進出していく予定です。もちろん、国内でもお問合わせがあれば対応して頂けるそうです。

ブックデザインを担当している藤枝市出身のデザイナー藤田雅臣さんによる広報物への展開

今後は、半年に一度のリリースを目標にしていくそうです。

最新号は日本文化の輸出としてもっとも成功してる「古武道」をテーマに全国での取材が終了し、この7月に出版しました。現在は次号の「和食」を鋭意制作中とのことです。

静岡から海外に向けて文化を伝える『I KNOW JAPAN』のさらなる展開に注目です。

information
I KNOW JAPAN “JAPANESE TEA”
発行 Nikko Graphic Arts
TEL 054-263-2211
WEB https://www.nga-publication.com
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